技術営業で大事なことは、お客になってもらっては困る人には販売しないという判断です。お金を払えば何でもあり、傍若無人な態度を取る顧客はどんな会社にも必ず存在します。

私自身が、あるお客様からの依頼で現場に入ったときには、こうした理不尽なクレームに無駄なエネルギーを取られて、現場全体が疲弊していたことがありました。

こうしたモンスタークレーマーに会社を疲弊させないためにも、技術営業が注意すべき点があります。

こうしてクレーマーが生まれる

クレームが起きる原因は、対応になんらかの不満があるということです。法人営業の場合、お客様のしごとは、クレームをつけることではありません。極めてまれに金品を要求するような悪質な企業もありますが、これは犯罪で例外としましょう。

例えば、あなたの会社にあるクレーマーがいたとします。そのお客様は、最初からクレーマーだったでしょうか? おそらく多くの場合、答えはノーでしょう。そもそも商品に不満があれば購入することはありません。クレームの原因は人が起こすものなのです。クレームは、小さなことから始まります。

  1. 会社対の対応に不満があるからクレームを言う
  2. クレームが少し解消された
  3. すべて解消はされないので引き続きクレームを言う
  4. 何度か繰り返すうちに対応されなくなる

それまで優良だと思われていた顧客が、次第にモンスタークレーマーに変わっていくのです。こうなると売る方も買う方も不幸です。顧客がクレーマーになる最大に理由は、『約束が守られない』ことなのです。

なぜ約束が守られないのか

そもそも約束が守られないことには様々な理由があります。

  1. 問題のある商品をまったく問題がないように売る
  2. 売りたいがために何でも出来るようなことを言う
  3. 売った後に約束を守らない

これはもう完全に営業が悪い、売りっぱなしの極悪営業です。顧客は、あなたの会社の商品やサービスを使いたいから買うわけではありません。仕事の生産性や品質をあげることが目的なのです。それなのに使ってみたら生産性も効率も以前と変わらないか悪くなった。その多くの理由は、効率を上げるための約束が守られていないからです。こうしたモンスタークレーマーを作った営業は、問題が表面化したときにはもう会社にいないのです。

わかりやすく例をあげましょう。あるソフトウエアメーカーでは、毎日のようにある顧客から電話がかかっていました。ソフトウエアの利用に関する質問がメインなのですが、そもそも質問が出る理由は社員が入社した際に製品のトレーニングがされていないからでした。有料のトレーニングを受ければ済むはずですが、このお客は頑として「購入の際に毎年無料でトレーニングを実施するから購入した」と言って話を聞きません。この顧客が購入したのは、当時のすでに退職してしまった営業担当者からでした。この営業担当者は、自分のできる範囲で顧客にソフトウエアの使い方を現場で教えていたようでしたが、営業活動にも影響があったようで結局退職していました。

私が現場に入って驚いたことは、こうした顧客が複数存在していたことです。私は、ひとつひとつの顧客に同行訪問し、解決を図りました。場合によっては、下請事業者に労務を無償で提供等をさせることは、コンプライアンス上問題があることをお伝えしご理解いただきました。

悪夢を見ないために

こうした問題は、多かれ少なかれどこの会社でもあります。しかし、問題を大きくしないためにも営業に無理な口約束をさせないことで未然に防ぐことができます。では、どのようにしたら見極められるでしょうか。法人営業の場合は、最終的に営業だけでクロージングするのではなく経験の豊富な技術営業が営業の初期の段階から同行するべきです。

できることできないことを早い段階から顧客に開示することで、顧客に過度な期待を持たせず購入につなげていくのです。