恋愛とセールスは似ているという話

こんにちは、小幡英司です。

いつも、営業論などを書いていますが、たまには柔らかい話題を書きますね。

結婚して20年以上たつと恋愛って何だっけという気がするわけですが、やはり新規のお客様にお会いするときはワクワクするわけです。

このワクワク感ですが、「どうやったら相手に興味を持ってもらえるだろう」という点においては、恋愛も営業も一緒なんです。

相互関心

「セールスで大事なことは、相手に興味を持ってもらうこと」と営業経験者なら誰もが言いますが、はっきり言って間違いです。片手落ちです。

始めに必要なことは「相手に興味を持つこと」。自分が相手に興味を示していなければ、相手も興味を持ちません。セールスなら訪問前に相手の会社のことを調べるように恋愛でも相手のことをもっと知りたいと思うはずです。

最初は、お互いの共通点は何か探り探りしながら会話をしていきます。同じ地元なら「お前、何中?」と聞くだけででグッと距離感が縮まります。出身地が一緒、同じ推しがいる、趣味が一緒と何かしら共通点があるものです。こうした共通のものがあると話がしやすいですいですよね。

小さなクロージング

初めてのデートで夕食に誘ったときのゴール設定は、「ご飯を食べて楽しく会話をして家の近くまで送る」だと思っていたんですよ若いころは。すぐに間違いに気づいて修正しました。

「次のアポをその場で取る」ことに。

相手に興味を持ってもらえなかったら、次に会う約束も取れないのです。楽しく食事して、家まで送って、家に上がり込もうなどということは、初回のデートではしちゃいけません。

もし、あなただったら「部屋が散らかっているから」とか「兄弟と一緒に住んでいるから」といって追い返しますよね。一回ご飯を食べたぐらいで、家に入れると思います?相手の合意が無ければ、犯罪者ですよ。

ところが、実際に営業をされる側になってみるとると「始めて会って興味も無いのに売り込む」ということがまあまあの確率で起きるわけです。

普通、恋愛関係に至るには、食事にいったり、映画を見に行ったりして「この人は、良さそうな人だなあ、また会いたいなあ」と思ってもらうステップが必要です。ですから、デートの終わりに「次回、いつ会おうか」と約束を取り付けるのです。これが、小さなクロージングです。

この小さなクロージングは、その場でやるのです。「次回は、また改めて連絡します」などとやっていると一晩寝ると気持ちが変わってしまうからです。

次回のアクションアイテムを決めて少しづつ前進していく工程は、営業のプロセスにも似ています。次回会うまでに電話やLINE(メール)で連絡を取るのは、営業でも同じですよね。

交際ゼロ日で結婚を決めるというクロージングをするカップルもいますが、それはレアケースです。営業でいえば、飛び込み営業で一発で受注したようなもので再現性がありません。

相互理解

次の段階は、お互いに理解しあえるかです。このあたりになると接触頻度が5回を超えて、交際が始まります。デートは、平均4回目あたりで告白するそうですよ。ご存知ですか。相手に関心があるから、相手を受け入れて理解するの段階ですね。

ここで自社の商品がお客さんにどう役立つか、その説明が理解されなければ購入されずにお終いです。相手が理解できなければ、受け入れることは出来ません。トライアルを始めたりと関係が深くなります。商談で話した課題が解決できるか、導入後のサポート体制は大丈夫かと将来を前提とした段階に入ってきます。この段階でも競合他社が残っている場合が多いですね

恋愛の場合、1回に相手と過ごす時間が増えてきて良い面も悪い面も見えてくるようになります。相手の表面だけでない部分を許容し出来るようになってきます。セールスと違うのは、この相互理解の段階が何年も継続することがあります。交際4年とか10年とか、結構周りには多くいますね。

クロージング

セールスでいえば成約、恋愛でいえば入籍でしょうか。この段階で言うことはセールスなら「購入してください」、恋愛なら「結婚してください」です。

相互理解が出来ているのにクロージング出来ない理由は、いくつかあります。

ちゃんとクロージング出来ていない

関係もうまくいっているし、相手に嫌われたくないのではっきりと「買ってくれ」とは言っていない場合です。トライアルも上手く進んでいるし、きちんと連絡もしていて関係も良好だから大丈夫だろうと緩く考えているのでしょうね。なんとなく月末までに発注してくれそうと思い込んでいたら、「結局、競合から購入しました」と言われてガックシくるやつです。

恋愛の場合も「友達以上、恋人未満な関係で相手が押してくれるのを待っていたのに」といったなんて話はよく聞きますね。

タイミングが悪い

クロージングをしたけど早すぎた、逆に遅すぎたというケースです。セールスで購入を迫るのが早すぎるとお客さんは「買わされる」「売りつけられる」と脅威だと感じます。相互理解が進んでいれば購入確度が高くなるのですが、そこまで理解されていないということです。

逆に遅い場合は、先に競合に取られてしまうことになります。早くても遅くてもダメ、相手と密なコミュニケーションを取りながら適切なタイミングでクロージングする。これがすべてです。

結局のところ・・・

以前と比べて、相手と密なコミュニケーションを取りにくい時代です。これは、自分だけではなく競争相手にとっても不利な条件です。

SNSやチャット、WEB会議といったテクノロジーの進化もあるので、必ず顔を突き合わせて話をしなければ関係性が深まらない時代ではありません。遠く離れた場所でも、時差があっても制限なく話をすることが出来ます。新しい技術は、いち早く取り入れて使いこなしたもの勝ちです。

デジタルとアナログのハイブリッドなセールスは、今後も変わらないでしょう。それをいかに効果的に組み合わせていくか。

セールスも恋愛もマーケティングが大事です。