ブルーオーシャン戦略と4つのアクションフレームワーク

今回は「ブルーオーシャン戦略」について解説します。

営業の仕事は、激しい競争が日常となっています。様々な業種、業界で、優れた製品やサービスを持つ企業が次々と現れるからです。競争相手との差別化が難しく、市場のレッドオーシャンに足を取られることも少なくありません。営業部門の成長を持続させるために取り組むべき戦略のひとつに「ブルーオーシャン戦略」があります。このブルーオーシャン戦略を営業でどのように活用するべきかということについて解説していきたいと思います。

ブルーオーシャン戦略とは?

ブルーオーシャン戦略とは、競争の激しい市場(レッドオーシャン)から離れ、競争が存在しない全く新しい市場(ブルーオーシャン)を創出する戦略のことを指します。簡単に言えば、競争相手がいないガラガラの市場を作るということです。この戦略は、ビジネスの状況を変革し、成長の可能性を飛躍的に高めるものです。

営業におけるブルーオーシャン戦略の重要性

営業にとってブルーオーシャン戦略は非常に重要です。競争が激しい市場であるレッドオーシャンでは、価格競争や商品の差別化による競争が日常的に行われています。価格競争に入った市場では、消耗戦となり営業は疲弊してしまいます。しかし、このような競争は、マーケットシェアの奪い合いにすぎず、新たな価値を創造し市場を拡大するものではありません。

一方、ブルーオーシャン戦略では、競争から離れて全く新しい市場を開拓します。競争が存在しない市場であるため、営業は自社の製品やサービスの独自性を最大限に活かし、顧客に対して新たな価値を提供することができます。

さらに、ブルーオーシャン戦略では、新たな顧客層を開拓することが可能となります。従来の市場にとらわれず、新たなニーズを見つけ出し、それに対応することで、市場そのものを拡大させることができます。

4つのアクションフレームワーク

ブルーオーシャン戦略を実行するための具体的な方法として、「4つのアクションフレームワーク」が提唱されています。これは、既存の市場で当然とされている価値を見直し、新たな価値を創造するためのフレームワークです。

  1. 削除(Eliminate):業界が当然と考えている要素を削除します。これにより、既存の市場の慣習にとらわれず、自社のビジネスモデルを見直すことが可能となります。
  2. 低減(Reduce):業界が重要と位置づけている要素を低減します。過剰なサービスや機能を見直し、コストを削減することが可能となります。
  3. 増大(Raise):業界が基準以上に提供している要素をさらに増大させます。自社の強みを最大限に活かし、顧客に対する付加価値を高めることができます。
  4. 創出(Create):業界がまだ提供していない新しい要素を創出します。新たな価値を提供し、全く新しい市場を創造することが可能となります。

これらのステップを通じて、営業は市場を見直し、既存の競争要素を超えて新たな価値を提供することが可能となります。

ブルーオーシャン戦略の実例

タイガー魔法瓶が開発した「タイガー真空断熱炭酸ボトル」は、炭酸飲料に対応した画期的な水筒として発売から3カ月で10万本の大ヒットになった。このヒットの要因は、業界で当然のことであった「水筒に炭酸水を入れてはいけない」という要素を削除したことにあった。

営業の現場では、以前から「真空断熱ボトルに炭酸飲料を入れたい」という顧客の要望が多かった。そこで、既成概念に囚われず「禁止とする理由」を紐解き解決する「栓」を開発したことがヒットにつながった。

まとめ:営業とブルーオーシャン戦略

ブルーオーシャン戦略は、営業にとって革新的なアプローチを提供します。競争が激しい市場から逃れ、自社だけの市場を創造することで、営業の可能性は無限大に広がります。そして、その鍵は営業の現場で顧客の声や行動を観察することにあります。4つのアクションフレームワークを通じて、営業は自社のビジネスモデルを見直し、新たな価値を創造することが可能となります。これにより、市場の拡大とともに、営業の成功を手繰り寄せることが可能となるでしょう。

ブルーオーシャン戦略は、単なる理論ではありません。これは、営業の成功に直結する、実践的な戦略です。新たな市場を創造し、競争を超えた価値を提供することで、営業の成功を確実にすることができます。

【注意】この記事は情報提供を目的としており、特定の結果を保証するものではありません。具体的なアクションを取る前に、専門家の意見を求めることをお勧めします。