「技術を売る技術」の分業を進めていくうえで知っておいてほしいことは、顧客が購買にあたり意識レベルがどの段階にいるかということです。この悩みレベルの段階ごとに顧客に対するシナリオが変わってきます。
課題の4段階
第1段階 Oblivious(オブリビアス:まだまだ客)
問題があること気づいていない、知らない段階。商品やサービスの必要性を感じていない段階なので、売り込むのがもっとも難しい。
第2段階Apathetic(アパセティック:そのうち客)
問題には気づいている段階。解決を先送りにしているので顕在化したときに急に買いたいと言い出すことがある。
第3段階Thinking(シンキング:お悩み客)
問題を認識し解決策を調べている段階。複数の解決策の検討をしているので競合他社に流れる可能性もある。
第4段階Hurting(ハーティング:今すぐ客)
問題を急いで、いますぐ解決したい段階。すでに購入することを決めているので、ホームページを見て問合をしてくる顧客。
例えば、歯が痛い人が第4段階、歯が痛くない人が第1段階だとすると、最初に話しかける言葉から変わってきます。同じように顧客の課題の状態によって、異なるシナリオが必要になります。
営業のシナリオが出来たら、次は各業務を誰が分担するかを決めます。
営業力を分解する
次に業務を分担するうえで、各営業担当者の営業力を能力ごとに把握します。ここで言う営業力とは、「売る力」です。営業力は、4つのチカラに分解できます。
関係力
- 顧客と苦もなく会話できる
- 顧客との信頼関係を構築できる
- キーマンに会うことができる
行動力
- 売り上げの計画を立てる
- 顧客に訪問する
- 業務を遂行する
情報力
- 情報を集める
- 情報を整理しまとめる
- 情報を発信する
提案力
- 顧客の問題点を聞くことができる
- 論点にそった解決策を説明する
交渉やクロージングの能力は無いのかと思われるでしょうが、いすれもこの4つのチカラの組み合わせです。
業務を割りあてと指標の設定
問い合わせ顧客への電話対応であれば、以下のような営業の能力が必要になります。
関係力・・・◯
行動力・・・△
情報力・・・×
提案力・・・×
問い合わせ顧客への電話対応業務の指標は、以下のように設定します。
アポイントの設定・・・◯
販売する商品の確認・・・◯
検討度合いの確認・・・△
こうした役割と指標を設定することで、各業務の担当者が、目的を持って業務に取り組むことが出来、成果を上げていくためのモチベーションにつながります。