知人の経営者の福利厚生に3キロ3駅ルールというものがあります。
会社から3キロ、または3駅以内に住む場合、毎月2万円の住宅手当が支払われるというものです。
ベンチャー企業ですが、アットホームな経営を目指されており会社の周辺に働く仲間が暮らすことで従業員間の交流を積極的に図ってもらうこと目的としているようです。
最近の若い人は、会社の同僚とあまり交流をしない人も多いようですが、「職住接近」は従業員のモチベーションがあがることでしょう。
私の経験から言いますと、通勤地獄から解放されます。
私が、だま新卒の頃、埼玉県の実家から勤めていた新宿の会社まで、朝の通勤時はだいたい一時間くらいかかっていました。
会社までの平均的な通勤時間を東京で検索してみると、一時間くらいが平均だといいますので、多くの人が同じ経験をしているのではないかと思います。
さらに日本でも最も混雑したいう埼京線を利用していました。
当時の混雑率をウィキペディアで確認すると軒並み200%を超えています。
まだ、若かりし頃でしたので、会社に到着した時にヘトヘトでということはありませんでしたが、この通勤時間が嫌で嫌で仕方がありませんでした。
心理的な負担を減らすことができます。
実家から会社に通勤していた頃、もっとも嫌だったのは移動時間が読めないことでした。
通勤時間が長くなれば長くなるほど、ちょっとした天候によって電車やバスが遅延する、駅が入場規制されて入れないなどの不測の事態が起きたときに対応ができなくなります。
結果、会社に30分遅く出社することになります。
天候によって会社に定時に出社できないというのは、仕方がないことなのですが従業員側からすると遅刻したという気持ちになります。
なぜなら、そんなときにも定時に出社している人がいるのですから。
会社の近くに住んでいれば、代替え手段がいくらでもありますしね。
なにより健康に良いです。
3キロというのは、徒歩で40分から50分です。
最近は、健康経営という言葉があるように企業も従業員が心身ともに健康に会社勤めができるように配慮しなければなりません。
週に数回の徒歩通勤を会社として認めても問題ないのではないでしょうか。
実は、危機管理対応しやすい。
東日本大震災のときに自宅から3キロほどにある企業の仕事をしていました。
この日は、そうそうに仕事を切り上げ、まだ普通に走っていたタクシーを拾って帰宅しました。
安否確認のために子どもの通う小学校へ行ったところで、これまでに無い異常なことが起きていたことに気づいたのです。
その日は、電車が動かない、携帯電話がつながらないといった事態になったことは記憶に新しいところです。
当時、経営者の多くは、外出している社員や社員の家族の安否が把握できずに、きもきされたのではないでしょうか。
会社が移転したらどうなるの、ベンチャー企業だからできるのでは、といった意見が出ると思いますがユニークな福利厚生だと思います。