「業界最安でご提供します」
これは、とある会社の経営者の方とお客様に同行した際によく使うセールストークです。
安さを武器に数年で業界最大規模にまで拡大しているので間違った戦略ではないし、お客様から一定の評価を得ているのでビジネスとしてはうまく機能しているように見えます。
しかし、業界規模が大きくないので競合他社が同程度の価格を提示してきた場合、あっという間に価格競争に陥ることが予想されます。
☑ 競合が、同じ商品・サービスを安く売っている
☑ 安くしてでも仕事を取りたい
☑ お客を集めるため
☑ とにかく現金を作るため
☑ 薄利多売で儲けるため
☑ 商品・サービスを安くしないと価値が出せない
安売りの理由は、色々とあると思います。しかし、値段を下げれば売れると考えるのは、戦略として何も考えていないのと同じです。
高く売るためには必要な戦略には、3つあります。
1.あなたの会社でしか提供出来ない技術
あなたの会社でしか出来ない技術とは、オンリーワンの技術ということです。お客様が他社で
「うちにはできない。そもそも技術的に不可能」
と断られ続けて、最終的にあなたの会社にたどりつく。なかなか難しい話かもしれません。しかし、日本のモノづくりを支えている中小企業には、オンリーワン技術を持っている企業も少なくありません。世界発の痛くない注射針で有名な岡野工業は、まさにこれを具現化しています。
2.あなたの会社でしか提供できないサービス
これは、他社が目をつけていないサービスを提供することです。それには、お客様視点に立って接客の仕方、対応の速さ、自社で購入したら半永久的に無償で修理などなど、方法はたくさんあります。
事例をあげると兵庫県の老舗の畳店であるTTNコーポレーションが、24時間の畳張り替えサービスを始めたところ、飲食店から閉店後に畳変えが出来るということで注文が殺到しています。他社が嫌がってやらない、気づかないところに目をつけ、売上が4倍になっています。
3.あなたの会社でしか味わえない満足感
あなたの会社でしか提供できないサービスを超えるとどうなるのか。それは、あなたの会社のファンになるということです。
「まさか、ここまで・・・」
と価格以外の価値を感じてもらうことです。
栃木県のサトーカメラの接客スタイルが良い事例ではないかと思います。サトーカメラは、大手量販店に比べて接客が丁寧で時間が長いので有名です。店内を見回すと店員がお客とソファに座ってセルフプリントの操作をしていたり、お年寄りにじっくり説明をしていたりと非効率を絵に書いたような店なのですが、栃木でダントツの売り上げを誇るカメラ屋なのです。
この接客スタイルによって、サトーカメラに来たお客は、「よその店にに行った後にここに来たんだけど、ここの客になるほうが楽しそうだから」と言って他店よりも高くても購入してしまうのです。
日本は、サービスレベルが高く、顧客要求レベルの高い国ですが、技術やサービスを大手とは違う視点で見ることにより中小企業でも勝つことが出来る方法がまだまだあります。