営業職に配属された人へ

まもなく4月を迎え新年度が始まる。新卒で希望の職種につけずに営業に配属されたり、長年、研究職だった人が営業部門へ移動したりというという話を聞くのが、この時期だ。本人が希望する部署に配属されずに営業に配属されるケースは、どのくらい多いのかと思いSNSで聞いてみたら、驚いたことに8割の人が意図しない営業に配属されたと回答があった。

厳しい就職戦線を乗り越え新たに社会人として一歩を踏み出すにあたって、意図しない営業部というのは悲しいかもしれ得ない。

営業のイメージが悪い3つのこと

固定観念

営業職というのは、外出が多いのでとにかく何をやっているか判らない。社内の人でも判らないのだから、外からみたら何しているのか知る由もない。

当然、ドラマなどで描かれる営業の姿も型どおりだ。3年ほど前に「宮本から君へ」というドラマが放映されていたが、取引先の部長に罵倒されてペコペコしている様子が描かれている。このドラマは、1990年に描かれたマンガが原作だ。1990年では、今と商習慣も世相も違いすぎる。パワハラという言葉が出てくる10年も前だ。

テレビの世界は、現状をなかなかアップデートできない。作る側も視聴する側も、現実と違う世界を事実だと誤認してしまう。取引先にハラスメントをする企業などがあったら大問題である。

ブラック業界

とはいえ、ブラックな業界というのも残っている。達成できないような無理な数字を与えられ、売れなければ罵倒され、数字が達成したとしても、それがあたり前で誉められない。こうしたハラスメントは、営業管理職の特性による部分が多い。

営業がブラックな職場になりがちの会社というのは、だいたい決まっていて金融業界と不動産業界がやばい。そもそも、この業界に入った時点で多少の覚悟はしておいたほうが良いだろう。

営業がブラックな業種は遅かれ早かれ淘汰される。これは、間違いなく起きると思っている。証券業や保険業界は、ネットに置き換わっているし、銀行だって店舗が減っている。そもそも、営業従事者が減っているのだ。誰も好んでブラックな職場に行く必要はない。

ただ、ハラスメントに関しては、事務系の職場でも、技術系の職場でも、多かれ少なかれ存在する。営業職に就かなくてもハラスメントとは、無縁とは言えない。

営業はなくなる職業

近い将来、営業という業種そのものが無くなるかも知れないと言われている。ネットによる販売やAI、セールステックによって営業の活躍の場が減っているのは事実だ。何かを買おうと思ったときには、自分でインターネットで調べることで大半の用は済んでしまう。

だったら、営業なんか要らない、営業に配属されても意味ないじゃんと結論付けるのは早急だ。ここで無くなると言われているのは、コモディティ化している工業部品や素材などはネットで代替えがきく営業だ。

セールスはビジネスマンの必修のスキル

企業にしても個人事業にしても、商品やサービスを売らなくてはお金が入ってこない。マーケターやエンジニア、デザイナーといった他の職種の人が営業を兼任しなくてはならない時代に確実になっている。マーケティング&セールスといった組織やセールスエンジニアという職種も、今ではあたり前になっているから何となく営業に関わりそうだと考えている人は多いだろう。

個人事業主ならなおさら営業をしなくてはいけない。今の日本で、今の会社の仕事が定年まで永遠に続くと考えている人はいないはずだ。

ブラックな職場に嫌気がさして転職した会社がホワイトである保証はないし、そもそも年齢によっては転職できるかどうかさえ怪しい人もいるだろう。

これまでの知識や経験で「将来は、独立も視野に入れないといけないな」と考えているなら営業は学んでおくべきである。

将来に不安を感じるなら営業は学ぶべき

お金を稼ぐスキルで身につけなければならないのは、以下の3つだ。

  • セールス
  • マーケティング
  • コピーライティング

これらのスキルは、多くの書籍が出ているので買うなり借りるなりして実践と修正を繰り返すしかない。

営業に配属され実践する場があることは、実はとてもラッキーなことである。営業職は、これらのスキルが会社で学べるからだ。あなたの会社の営業ノウハウをお金を貰いながらパクれる。人のやり方を真似しても、パクっても成績が上がれば、誰からも文句は言われない。

このあたりを副業で習得するのは、少々時間がかかるかもしれない。それでも、何もやらないよりはかなりマシだろう。

ネットがあっても営業は必要

もちろん「ネットで売れば営業は不要でしょう」という意見もあるだろう。

この意見は、半分あっていて半分間違いだ。

副業で転売を始める人もいるだろう。仕入れたものをAmazonに出せば、人に会わずコピーも書かずに売れていく。しかし、こうした転売は何年やっても何のスキルも得られない。

将来、何があっても食べていくスキルを得たいのなら、集客をして、コピーを書き、販売するところまで学ばなければいけないのだ。毎日、少しずつでも実践出来る場所に身を置くことができるのならチャンスである。

売れる営業になるためのサクセスパス

以下のことは、社会人全般に言えることだが、営業では重要なことなので仕事では特に意識して欲しい。

理想像を作る

どんな仕事でもそうだが、ロールモデルというものがある。身近にロールモデルがいないのであれば、作れば良い。そこで、おすすめなのが「ダメな営業」を書き出してほしい。そして、それぞれに対して自分なら「良い営業」は、こうすると考える。例えばこんな具合だ。

<ダメな営業>

専門知識が浅く、頼りない

<良い営業>

知識が豊富で安心感がある

住まいを借りるときの不動産の営業、ときどき行く美容室の美容師、携帯電話を契約するときの店員など、生活していくうえで誰かと話すときにはよく観察することだ。そのときに感じる小さな違和感を拾い上げて反面教師として自分のものにする。こうすることで、自分なりの営業像が出来上がってくる。

なるべくボールは持たない

『何かあれば、すぐに報告して指示を仰ぐ』こと。これ、結構重要。営業は、上司も含め社内にいないことが多いので報告、連絡、相談の機会が少ない。そうこうしているうちにボール(タスク)が溜まってしまう。

タスクが溜まれば、抜け漏れが起きる可能性が高いので、気づいた時には取り返しがつかないことになりかねない。上司や先輩からしたら、売上げに影響するので抱え込まれるのが一番困る。営業は、コミュニケーション能力が必要だと言われているが、これは社内においても必要なことである。

ミスは速やかに報告する

大前提として、営業はミスが起きがちな職業である。ミスは起こさないに越したことがないのだが、誰しも間違いはある。取引先、顧客、社内などに対して、『確認を忘れる』、『数字を間違える』、『連絡を忘れる』などが日常的に起きるのだ。こうしたミスは、速やかに報告すること。

ミスは、必ず見つかるので自分が気づいた時点で素早く修正したほうが良い。社内であれば、上司も助け舟を出してくれるし、周囲も協力してくれるだろう。とにかく大事になる前に動くことだ。

人間関係を良好に保つ

極めてあたり前なことであるが、上司や先輩は友達ではない。ドライに接する必要は無いが仕事を通じて長い期間一緒に過ごすことになるので、人下関係は良好にしておくほうが良い。

人間関係を良好に保つ方法で最も簡単なのは、笑顔を心がけること。仏頂面より、ニコニコしていて気さくな印象話の方が好まれるのは、当然のことだ。

気さくな印象を保つには、身体の調子を常に保ち続ける必要がある。適度な運動を行い、充分な睡眠を取り、深酒などをしないといった日頃の習慣が、健全な精神状態を作る。身体の調子が良ければ、自然と笑顔になる。「笑顔を心掛ける」→「周りの空気がよくなる」→「良い印象になる」という好循環が生まれるわけだ。

みんな頑張れ、応援していますよ!

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