商談ノートの書き方についてはベテランの営業マンでも、書き方をしっかりと定義づけている人は多くないようです。
商談ノートには、商談に関する重要情報が詰まっていなくてはいけないのですが、そもそも聞き洩らしがあったり整理してなければ記録している意味がありません。
商談前に聞かなきゃいけないことが判っていても、お客様との会話が盛り上がって、うっかり聞き洩らしたり、忘れてしまったという経験はベテランの営業マンでもあることです。
こんなときには、ノートに事前に聞くポイントを書いて準備しておけば、商談の時にも聞き洩らしが出ないのです。
商談ノートで大事なこと
商談ノートで意識することはMECE。MECE(ミーシー)とは「Mutually Exclusive and Collectively Exhaustive」の略で、「重複なく、漏れがないこと」。
- Mutually(お互いに)
- Exclusive(重複せず)
- Collectively(全体に)
- Exhaustive(漏れがない)
お客様に何度も同じことを聞いたり確認漏れがあるのは、営業としてはやってはいけないこと。こうした間違いを未然に防ぐためのが「商談ノートメソッド」です。
商談ノートメソッドとは
メソッドというと難しそうですが、何も難しいことはありません。市販のノートを用意して訪問前と訪問後に5分間だけノートに向かうだけ。ちょっと差がつく商談ノート術をご紹介します。

ノートの準備
よく使うサイズの市販のノートを用意し縦横に線を2本引きます。キーワード、まとめの幅は使い方に合わせて調整します。目安としては、五分の一くらいにしておきましょう。このノートのフォーマットは、コーネル式ノート術で検索すると調べることができます。
訪問前
商談のシナリオを考え、アウトプットするべきことをメモしておきましょう。ポイントは、商談後に「言うの忘れちゃった!」ということがないように書いておくことです。
- 商談のゴール
- 交渉のポイント
- 期待する成果は何か
- 伝えるべきこと
- お客様に伝える情報は
- 次回のアポイントは
- 同行者の予定は
商談中
商談の内容を箇条書きで書いていきます。商談の最中は、ノートにメモをとることよりも、コミュニケーションをとることの方が優先です。
- 日付
- 客先名、担当者名
- ヒアリング項目(5W2H)
- Who:誰が(決済する人、使う人)
- What:何を
- Why:なぜ
- When:いつまでに
- Where:どこに(部署、拠点)
- How much:どのくらいの予算で
- How many:どのくらいの数量(人数)で
- 商談中に気になったこと
- あとで調べるべきこと
会話に集中するあまり要点を書き漏らしてしまうということがしばしば起きますが、これは仕方がないことです。
商談のまとめ
商談の最後に重要事項のまとめということで、アクションアイテムを確認します。このときに記入漏れがあれば追記し、内容があいまいな事項はお客様に再度確認します。
- 商談のまとめ
- お客様とアクションアイテムを確認
- 自分の宿題
- お客様にやっていただくこと
アクションアイテムの確認は、お客様に失礼なことではありませんので「何を、いつまでに、どうする」と合意しメモします。
訪問後
商談ノートの振り返りは、記憶があいまいにならないその日のうちに見直しましょう。このとき重要度の高い急ぎのアクションアイテムは、その日のうちに着手し終わらせるようにしたほうが良いです。
人間の記憶とは頼りないもので翌日になるとしっかり思い出せないものです。余談ですが、人間は20分経過で約40%、1日経過するとその約75%忘れてしまいます。(参考:ヘルマン・エピングハウスの忘却曲線)
忘れないためにもノートにメモを取るのは重要なことなのです。