urushikumi20130508先日、懇意にしている会社の役員から最終提案の価格設定で悩んでいるので相談に乗ってほしいということで電話がありました。

商談の流れを聞くと取れて、お客からコンタクトしてきており提案書の中身も全く問題が無いので現場で価格をどう握るかということだけでした。相談の回答は、書くことが出来ませんが、このように顧客から指名で連絡があるケースは営業をしている中でも非常にまれだと思います。

これは、企業の大小の問わず同じ問題を抱えています。大企業だから販売活動が楽だろうということはまったくありません。

とある大手ソフトウェアの会社の経営幹部が、営業や技術が集まる会議で新規開拓が出来ない営業部隊にこんな檄を飛ばしたことがあります。

「うちのソフトを従業員全員に使わせることを提案しろ。社員が10万人以上いるヤマト運輸とか行って来いよ」

その場にいた社員全員が、お互いの顔を見合わせました。お分かりだと思いますが、社員数が多くても全員がソフトウェアを使う業務をしていなければ、まったく意味がありません。ましてや宅配便をやっている会社であれば、多くは外で働いている配達の方であることは明白です。

規模の対象はあれ、経営層がこのような戦略を考えない発言を繰り返していると販売の現場の士気が下がります。過去にお会いした経営者の方でも「誰でもいいから、何でもいいから売ってきてくれ」という指示をだしている(これを指示というのか判りませんが)方がいらっしゃいました。

戦略には、「誰に」「何を」「何のために」売るのかという視点が必要なのです。

先ほどの例で考えると良くわかりますが。

「誰に」・・・オフィスワーカーに
「何を」・・・自社のAという製品を
「何のために」・・・業務効率とコストの改善のために
※判りやすく単純化していますが、実際はもっと突き詰める必要があります

これだけ単純化した内容でも、営業や技術の関係者にとっては一本筋が通った戦略に聞こえるものです。

実際に自社にあてはめて作ると判りますが、「誰に」「何を」は、ワンセットなので比較的簡単に出てきます。ところが「何のために」という部分を作るのは非常に難しいのです。

よく例に挙げられる例ですが。

ある人が日曜大工で本棚を作ろうと思い、材料の板と、板に穴を開けるためのドリルを買いに行った。

対応した店員がいろいろと聞いたところ、その人は将来、めったにドリルを使わないだろうと思われた。そこで店員はこう提案した。

『お客さまの欲しい物は穴の開いた板ではありませんか?お買い求めいただいた板に当方で板に穴を開けて差し上げます』

結果、この顧客は、ことあるごとに店員に相談に行くようになり、日曜大工が好きなリピーターになるわけです。

誰のため何のためを考えるだけで販売の現場が楽になる「自分軸販売戦略」を一緒に作っていきましょう。