「値引で取った客は、値引で取られる」

私は、コンサルの現場で安易に値引をしないで欲しいとお伝えしております。特に値段が安いのが選択基準という商談は要注意です。今回は、技術のある中小企業において安易な値引交渉は不幸であることについてご説明します。

1.クオリティが下がる

複数社のコンペになると値引によって商談を取りたいと考えがちです。しかし、その商談において適正な価格を割った金額まで下げてしまうと、少ない人数で過剰な労働を行なったり、充分な経験の無い人員をメンバーに入れてしまったりするので、安い材料を使わざるを得なくなり、結果的にクオリティが落ちてしまいます。

2.出来の悪い社員しか残らない

クオリティが下がれば、人件費にしわ寄せがいきます。人件費を削れば、出来る社員が退職し、出来の悪い社員が残ってしまいます。不足した人員を中途で雇っても、フィルターに残るのは出来の悪い社員ばかりという循環になります。
こうした社員は、言われた仕事だけしかやらず、向上心もありませんし、社内での協調性も無いばかりか、お客様を「たいして金も払わないのに文句が多い」などと馬鹿にし始めます。しかし、新たに社員が雇えれば、まだ良い方かも知れません。

3.質の悪いお客しか集まらない

値引で取った顧客は、他社が安いものを提供し始めたら去ってしまう客です。適性な値引で取った商談であれば、顧客を固定化してリピート客にすることが出来るのですが、そんなことを考えて働いている社員はいなくなっています。むしろ「嫌なお客が減った」くらいにしか考えていないでしょう。残るのは、価格以上のサービスを求める手間のかかるお客様ばかりです。もちろん、クチコミで紹介してくれるお客様もいません。再び、複数社のコンペで値引で商談を取りにいくというデフレスパイラルのような状態になります。

4.会社の信頼が落ちる

商品やサービスのクオリティが悪く、従業員の質も悪ければ、結果的にお客様の満足度を下がってしまいます。担当者も退職ですぐに代わってしまうので、あそこの会社は安かろう悪かろうという評判が立ちます。こういう評判は、その後にどんなに頑張ってもなかなか消えないものです。

IT業界に長くおり、何度かこのようなことを体験してきましたので若干辛口になりました。限度を超えた値下げは、お互いに不幸になりますので勇気を持ってお断りすべきでしょう。適正価格で取引いただける会社を大事にするべきです。